2022年2月17日
SNKの新作格闘ゲームとしてSteam版THE KING OF FIGHTERS XV(以下KOF15)が
発売されました。
この手のゲームで気になるのはどの程度のマシンであれば快適に動くのか?というところ。
家にあるジャンク再生PCなど、低スペックでどの程度動くのか検証しましょう。
(動作確認できたPCを随時更新します)
Steam版のメリット
- そこそこの性能のPCがあれば各PCでゲーム・セーブデータを共有できる
- Windowsという今後も安泰といっていいプラットフォーム
- Steamのリモートプレイがラグが少なくなかなか優秀
- 煩わしいディスク入れ替えがない
- マシンスペック次第でコンシューマー版より高画質になる
- Geforce RTXシリーズでレイトレーシングが使える
- コンシューマー版より入力の遅延が少なく快適らしい
Steam版はマシンスペック次第で4K解像度を選ぶことができるようです。
Steam版の基本情報
最小スペック | 推奨スペック | |
OS | Windows 7 (64bit必須) | Windows 10 (64bit必須) |
CPU | Intel Core i5 | Intel Core i7 |
メモリ | 8 GB RAM | 16 GB RAM |
グラフィック | Nvidia GeForce GTX 770 2GB AMD Radeon R9 280 3GB | Nvidia GeForce GTX 1060 6GB AMD Radeon RX 480 4GB |
DirectX | Version 11 | Version 11 |
ストレージ | 65 GB 利用可能 | 65 GB 利用可能 |
最近のゲームには珍しくWindows7でもOKみたいです。
(ただし、64bit必須)
KOF14に比べると要求スペックは上がっていてエントリークラスのグラボでは
厳しそうな雰囲気ですが果たして・・・?
動作チェック
手持ちの様々な世代・スペックのPCで検証
ゲーム内容に関しては攻略サイトを書いている方々の記事をご覧いただくとして
PC版ということで気になるのは自分が使っているPCで
快適に動くものなのか、というところ。
ジャンカーゆえにたくさんのPCを所有しておりますので
参考にしていただくためにいろいろなPCで動作確認をしてみたいと思います。
FPSはSteamクライアント側で表示できるもので測定。
フレームレート(FPS)は大きければ大きいほど動きの滑らかさが増します。
一般的なゲームのFPSが60ですのでその付近出ていれば
その解像度、描画設定に対するスペックが足りているという事になります。
スペックは高くないけど動くだろうか、という方向けの記事ということで・・・
設定項目
ディスプレイ設定
- ディスプレイモード
ウインドウ、枠無しウインドウ(疑似フルスクリーン)、フルスクリーンが選べるが
フルスクリーンにすると問答無用で全画面に引き延ばされるので16:9以外の
モニターだとアスペクト比が狂う。
(私の環境ではディスプレイドライバーの設定を変えても改善せず。) - 解像度
下げれば動作は軽くなるが映像が粗くなる。
ディスプレイモードで枠無しウインドウを選ぶと設定できず
自動的に最適な解像度が選ばれる。
逆に言えば動作を軽くする意図での低解像度を保っての枠無しウインドウはできない。
1920×1080の上がいきなり3840×2160になりその中間がない。
ちなみに今作はフレームスキップは無いのでFPSが落ちるとゲーム進行がスローになります。
(ネット対戦時は試してないので知らん)
また、垂直同期の設定もないのでティアリングが気になる場合は
ディスプレイドライバー側の設定でなんとかしましょう。
グラフィック設定
映像の美しさの設定。
基本的にオンにすれば画質が向上する代わりに動作が重たくなる。
なので低スペックな場合はすべてオフにして余裕がありそうな場合は
影やアンチエイリアスなどをオンにしていくとよい。
スペックが十分な場合はすべてオンでよいが
レイトレーシングはNVIDIAのRTXシリーズのグラボでないと無意味。
共通で起こる不具合?
今回テストした環境すべてで起こったんですがゲームを起動して初めて出す技や
エフェクトなどが表示されるタイミングで一瞬読み込みのような時間停止が起きて
FPSが落ちるときがある。
その技を二回目以降出すときは起こらない。
低スペックだとかなりの頻度で起こり遊び始めはかなりカクカクする。
ハイスペックだと稀に起こる程度だが完全に無いわけではない。
メモリ等は十分な場合でも起こるのとKOF14でも発生していた気がするので
プログラム的な問題だろうか?
コマンド入力のタイミングがずれるのでちょっと辛い。
重い状況やステージ
ステージによって重さが結構違う。
ラスボス前のコロシアムステージは他のステージよりも結構重く、
ラスボスステージはかなり重い。
ギリギリのスペックの場合そこだけスローになると思いますが我慢すれば遊べるかな?
また、ゲージ技のような派手なエフェクトやカメラがダイナミックに動く技は
演出中に重たくなる場合があります。
時間停止演出中だったり相手をロックしている状況が多いのでそこまで影響はないかも?
画像
3840×2160(2160P)
4K解像度、グラフィック設定をレイトレーシング含めすべてオン。
画像をクリックすると拡大。(PCの横画面で見るのを推奨)
ブラウザで見るとサイズ制限があるので拡大後の画像を保存してから
見るとわかりやすいかも。
4K解像度、グラフィック設定をすべてオフ。
影がなくなるのでちょっとキャラが浮いた感じになるのと
背景の光エフェクトが無くなる。
それでも3Dゲーにおいて解像度は正義のようで十分きれい。
前作KOF14の4K最高設定と比べるとテカテカのマネキン臭が少なくなり
画質は結構向上しています。
モデルは微修正程度のキャラと大幅に変わっているキャラがある。
モーションは前作の流用でフレーム調整程度の技が多い。
1920×1080(1080P)
おそらく多くの方のプレイ環境であろうフルHD。
グラフィック設定すべてオン
グラフィック設定すべてオフ。
この辺からジャギジャギ感が出てくる。
1280×720(720P)
やや性能のあるPCでは720P設定で動かすことになると思います。
グラフィック設定をすべてオン時。
ただ、グラフィック設定をオンにする余裕があるなら1080Pの
グラフィック設定オフもいけるかもしれないのでそこは好み。
グラフィック設定オフ。
キャラが動くとハイデルンの服なんかはかなりジャギジャギしてくる。
960×540(540P)
解像度で言えばPSVITAと同じでグラフィック設定はすべてオフ。
VRAMが2GBくらいしかなかった頃のエントリークラスグラボだとこの辺まで下げる必要が
あるのではないでしょうか?
参考までに540Pの映像をFHDまで引き伸ばすとこんな感じ。
(クリックで拡大)
640×360(360P)
解像度で言うなら初代PSとPS2の中間くらいでグラフィック設定すべてオフ。
このゲームの最低設定なのでこれで重かったら諦めが必要。
参考までに360Pの映像をFHDまで引き伸ばすとこんな感じ。
(クリックで拡大)
機種ごとの動作状況
GPDWINMAX2020
OS | Windows11 HOME 64bit |
CPU | Intel Core i5 1035G7 |
メモリ | DDR4 16GB |
グラフィック | Intel IrisPlus940 |
720P | 40~60FPS |
8インチ小型ゲーミングPCのGPDWINMAX。
グラフィック機能が従来のIntelのものに比べて強力になっているため、
小型ながら軽いゲームならヌルヌル動く性能を持っています。
まずフルスクリーンや枠無しウインドウにすると映像が横長に映って
まともにプレイできませんでしたが640×360の解像度にしたり
ウインドウに切り替えたりしていると枠無しウインドウで表示できるようになりました。
原因は不明ですがタブレット用の縦液晶を流用している機種はこういう不具合が多い。
1280×720設定
グラフィック設定を全てオフにすればだいたい60FPS前後出ます。
コロシアムステージなど重いステージや超必の重たい演出の時は
40~50FPSに落ちますが我慢すれば遊べるレベル。
GPDWINMAXは2021年版が出ておりそちらはGPU性能が大幅にアップしていますので
2020年版よりはFPSが出るはずです。
OneMix3Pro
OS | Windows11 HOME 64bit |
CPU | Intel Core i5 10201Y |
メモリ | LPDDR3 16GB |
グラフィック | Intel UHD Graphics |
360P | ~58FPS |
GPDWINMAXと同じ第十世代Core i5なんですがこちらはCore M系譜の
省電力プロセッサーなため演算・グラフィック機能ともに半分くらいの性能と思われます。
同じメーカーの小型ゲーミングPCのOneGX1がほぼ同じ構成なため参考になると思います。
なぜか実行ファイルがウイルス扱いされて起動しませんでしたが
なんかパッチが下りてきて起動するように。
しかし、360Pグラフィック設定すべてオフという最低設定でも60FPS出ず。
重たいステージを選ぶとなんかエラー落ちするので下限は不明。
まともに遊べないという認識でいいと思います。
富士通 AH77B1
OS | Windows10 HOME 64bit |
CPU | Intel Core i7 7700HQ |
メモリ | DDR4 16GB |
グラフィック | Intel HD Graphics 630 |
360P | 40~60FPS |
富士通の第七世代Core i7搭載のノートPCです。(2017年ごろのマシン)
グラフィック機能の性能はGPDWINMAX以下、OneMix3Pro以上といったところでしょうか。
メモリを8GB追加してデュアルチャネル動作にしているのでデフォルト構成だと
もう少し落ちると思います。
新しめのマシンではあるんですがINTELのこの種の内蔵グラフィックは
ゲーム性能に関してはかなり低めなため720Pでもプレイするのは無理。
(メニュー画面ですでに40FPSくらい)
640×360、グラフィック設定すべてオフというこのゲームで一番軽量な設定にしたところ
多くの状況で60FPSを維持、重いラスボスステージで40FPSという結果に。
かなりジャギジャギになりますが一応なんとか遊べる。
逆に言えばこれより低スペックなマシンではプレイは不可ということ。
NEC PC-SN18CL TDF
OS | Windows11 HOME 64bit |
CPU | Intel Celeron 4205U |
メモリ | DDR4 8GB |
グラフィック | Intel UHD Graphics for 8th Gen |
360P | 20~50FPS |
2019年モデルのNECのノートPCですがタブレットに毛が生えた程度の性能の
最廉価モデルで量販店モデルはPC-NS100から始まる型番のものが同等。
メモリは+4GB盛っています。
360P、グラフィック設定すべてオフの最低設定でもかなり厳しく
キャラセレで25FPSくらいしか出ていない。(このゲーム、なぜかキャラセレが重い)
ラスボスステージではまるで水中のようなもっさりバトルになります。
また圧倒的にスペックが足りないマシン全般に言えますが頻繁にエラー落ちします。
DELL INSPIRON 660S改
OS | Windows10 HOME 64bit |
CPU | Intel Core i7 3770 |
メモリ | DDR3 8GB |
グラフィック | Radeon R7 430 |
540P | 45~60FPS |
DELLのジャンクデスクトップのCPUを交換し、余ってたグラボを搭載したもの。
グラフィックドライバを最新にすることで性能が大幅にアップする
Radeon R7 430ですが設計が古いためか近代的なゲームは厳しいようです。
1280×720設定だとグラフィック設定を全てオフにしても最大45FPS程度で重い。
960×540まで落とせば通常戦闘は60FPS前後出ます。
それでも遊びはじめや重い演出の時はFPSが45あたりまで下がりますが・・・
復活のGALLERIAさん
OS | Windows10 HOME 64bit |
CPU | Intel Core i7 4790 |
メモリ | DDR3 16GB |
グラフィック | NVIDIA Geforce GTX460 |
360P | 20~50FPS |
ほぼ抜け殻の状態で売られていたゲーミングPCを
部品を集めてとりあえずゲーミングPCの体にしたもの。
グラボが古いのでそこまで高性能ではありません。
世代が古くVRAMが1GBしかないせいかかなり厳しく
最近のノートのオンボにすら負ける状態。
360P、グラフィック設定すべてオフでも60FPS出ませんでした。
自作PC
OS | Windows10 Pro 64bit |
CPU | Intel Core i5 4570S |
メモリ | DDR3 16GB |
グラフィック | NVIDIA Geforce GTX1050Ti |
1080P | 60FPS |
2160P | 40~55FPS |
ちょっと古めのエントリー向けグラフィックボードを搭載した自作PC。
1080P、レイトレ以外をオンにした状態で重いステージも問題なく60FPS出ます。
(技を出したときの一瞬読み込みでカクッとする現象は有り。)
2160P、グラフィック設定すべてオフだと軽いシーンでも60FPS維持できず。
フルHDの最高設定で遊ぶのであればGTX1050Tiが最低ラインでしょうか?
hp Z220 Workstation改
OS | Windows10 Pro 64bit |
CPU | Intel Xeon 1270 V2 |
メモリ | DDR3 16GB ECC |
グラフィック | NVIDIA Geforce GTX1650 |
1080P | 60FPS |
2160P | 45~60FPS |
hpのワークステーションにメモリを盛ってグラフィックカードを取り付けたもの。
1920×1080設定はグラフィック設定をレイトレ以外をオンで60FPS出ますね。
ただ、やはり遊びはじめの初めて出る超必やエフェクトの時に
一瞬カクっとなる現象はあります。
3840×2160設定はグラフィック設定を全てオフで60FPS出ることが多い。
重い演出やステージの時にFPSが下がる。
安定して遊ぶなら1080P設定が良い。
ジャンクデスクトップを安く買い、ゲーミングPCに仕立て上げるまでの記録は
上の記事をご覧ください
新自作PC2021
OS | Windows10 Pro 64bit |
CPU | Intel Core i9 11900 |
メモリ | DDR4 64GB |
グラフィック | NVIDIA Geforce RTX3070 |
2160P | 60FPS |
時期が悪いと思いながらも一からパーツを選んで組んだPC。
RTX3070はレイトレーシングが使えるためそれを含めてグラフィック設定は
全てオン+3840×2160解像度に設定。
結果は重いステージだろうが余裕で60FPS出ますがやはり超必を出した瞬間なんかに
一瞬読み込みのような感じでカクっと動作が止まる時がある。
メインメモリは十分なのでVRAMが足らないのかと思ったんですが
4K表示の時でも5GBくらいしか使ってないんですよねぇ。。
まとめ
KOF15はやや重めなんですが予想していたよりは動作の軽いゲームでした。
(同社の令和サムライスピリッツよりははるかに軽い)
ただ、快適にプレイしたい場合はGeforceなど高性能なグラフィックチップを搭載している
ゲーミングノートPCもしくはグラフィックボード搭載デスクトップPCを購入しましょう。
フルHD画質ならエントリークラスのもので十分遊べます。
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レノボ・ジャパン株式会社
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コメント
すばらしく参考になるレビューありがとうございます。わかりやすいです。私もフルスクリーン化にできず悩まされております。ayaneoを所持しており、ayaneo単体もクレードルも枠ナシWindowで遊んでます。ayaは1280×800なのですが、どうしてもフルスクリーンでおかしなことになります。クレードル使用してモニターに投影しても同様で、更にはモニター&枠ナシwindowでもっさりな動きになってしまいます。モニターだと1280ではなく1980のFHD認識な気もします。また振動ON・OFF切り替えがないことや、垂直同期の設定もありませんね。アプデに期待するしかないのかもしれませんねーゲームはとても面白いですが、初めが肝心なので残念ですね。
ありがとうございます
フルHDのモニターに接続して枠無しウインドウにすると解像度設定がフルHDになっちゃうのでおそらくayaneoの性能でもきついでしょうね。
フルスクリーンでアス比固定ができれば救われる環境も多い気がします。
アップデートに期待ですね。