こんにちは、レトロなオーディオ機器も大好きなプンソンです。
今回はパナソニックのバブルラジカセ RX-DT909を修理します。
この記事は動画版があります
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バブルラジカセとは?
80年代後半から90年代頭にかけて各社が販売していた
『とにかくお金をかけて作った豪華なラジカセ』です。
特徴としてはとにかくデカい。
幅が70センチくらいありますよ・・・いや、でかすぎんだろ・・・
RX-DT909
パナソニックの名機
RX-DT909は私が愛用しているRX-DT99の後継機に当たるモデルで
下位機種にRX-DT707があります。
707は以前ハードオフで入手してメンテしましたね。
そういえば707も909もハードオフ丸亀店で税別2000円で入手。
RX-DT909は完成度の高い機種として人気があるようです。
各部チェック
前面
前面のボタンは少なくすっきりしてる。
スピーカーは左右2個ずつ。
Bi-AMP 4-DRIVEと書かれていますがこれは4つのスピーカーをそれぞれ別のアンプで
鳴らしているということ。
バブリーな設計みたいですね、音がいいのかは分かりません。
背面
AUX端子とCDの音を外部出力する端子。
AUXがあるだけで高音質スピーカーとして使い道があります。
なんと単一乾電池10本で使用可能。
それとは別でメモリー用単三電池を4本使用。
ゲームギアもびっくりの電池使用量ですね。
電源は眼鏡ケーブル。
コブラトップ
この世代のパナソニックの最大の特徴がこれでパネルが電動で開閉します。
蛇が頭を持ち上げる動作にちなんで『コブラトップ』と名付けられています。
パネルには液晶と各部操作ボタン、ジョグダイヤル。
下位機種の707との大きな違いはスペクトラムアナライザー有無。
液晶にはELバックライトがついているんですが切れているのか光りません。
コブラトップを開いた中にはカセットデッキ。
ダブルカセットで1が再生のみ、2が録音再生可能。
動作チェック
ジャンク理由によるとカセット2のみ動く感じです。
ただ、カセット2もたまに再生がすぐ止まる。
カセット1は完全にダメで再生を押した後すぐに止まってしまう。
CDはキュルキュルと回転する音は聞こえるもののいつまでたっても読み込まない。
ラジオもAM・FMともに雑音が入るのみで受信せず。
なかなか直しがいがありますね。
修理
分解
バブルラジカセを分解するときは長いドライバーがあるといいです。
この機種はそこまで長いものは必要ありませんでしたが機種によっては
かなり深いところにネジがあって短いと奥まで届きません。
これでハンドルが外れ、外装が前後に分かれます。
この機種は前後がコネクターでつながっていて配線は使用されていません。
電源基板につながっている配線を抜いてユニットの左右にあるネジを2本抜くと
ユニットが引き出せます。
引き抜くときにCDドライブが固定されていないので落とさないように注意。
主要部品が取り出せました。
パナソニックのバブルラジカセは非常にメンテがしやすい。
CD部修理
フラットケーブルと緑のコネクターのケーブルを抜くとドライブが外せます。
鉄板のCD押さえ部品についているウレタン製のシートを剥がします。
劣化して若干ベタベタするようになり、CDを入れたままにすると
CDが貼り付いてトレイが出なくなります。
コネクター2個、ネジ2本、内部でフラットケーブルが繋がっているので外す。
電解コンデンサの劣化が原因でCDを読まないことがほとんどなので交換します。
この機種の基板は非常にパターンがはがれやすいので注意。
万が一やっちゃってもリカバリーできるようにあらかじめどこにつながっているのか
把握しておきましょう。
低頭コンデンサがたくさん使われているのでうまくガワや他部品に当たらないように
寝かしながらコンデンサを交換しました。
写真では両極性コンデンサを交換していませんが最終的にチップコンデンサに交換しました。
組みなおしてテスト・・・
お、読みましたねー
CDを読まなかったり片方音が出ないとかはコンデンサの交換で多くの場合直ります。
ラジオ部修理
ラジオ部ですが
みやけdenkiのブログ様
参考にしたこちらの記事によりますとコブラトップの後ろの隙間から見える
C619のコンデンサを交換すると直ったとのことですのでやってみます。
コンデンサは82uF 10Vというちょっと見慣れない容量。
100uF 16Vで代替します。
なんと、この一個のコンデンサを交換するだけでラジオを受信するようになりました!
先ほどの放熱板の付近はかなり発熱するのでついでに周りのコンデンサも交換しました。
カセット部修理
リーフスイッチ
カセットですが、ネジを3本外して左右の爪を外せば上のカバーがはずれて中が見えます。
症状が以前修理したDT707と同じなのでここのリーフスイッチをきれいにすれば良いかと。
これはカセットを入れた時や再生時にヘッドが上がった時などに押されてオンになりますが
経年で表面が汚れたり酸化して導通が悪くなります。
なのでヘッドが上がったのを検知できていない、もしくはヘッドが上がった時の
わずかな衝撃でテープ検知のスイッチがオフになっちゃうのが原因かと。
ヘッドの検知スイッチは目の細かい紙やすり(今回は手持ちの2000番)を使って
表面を軽く研磨して無水エタノールで綺麗にします。
カセット検知のスイッチはカバーが付いていますので細く切った紙やすりを差し込んで
スイッチをつまんで紙やすりを挟み、引っ張るを何度か行います。
これでカセット1が復活しました。
再生スピードもやや速い気がしますが誤差の範囲内かな。
私はテープスピードは4.76cm/sに調整することが多いんですが
メーカーは4.8cm/sにしていることが多いです。
アイドラーギアの交換
このブログの熱心な読者の方ならお分かりかと思いますが例のギア。
このカセットデッキのユニットはパナソニックとなぜかA&Dのデッキでも
使われているんですが
真ん中にある透明のギアが経年劣化で欠け、テープ走行を検知できなくなって
止まってしまうという持病を抱えています。
今回、テープ2のものが二か所欠けていました。
このギアは絶対に欠けるので生きていても交換推奨。
ギアはもうメーカー在庫もありませんが代替品を有志が販売していますので
以前ヤフオクで入手したものを今回使用します。
まずはピンチローラーを外します。
爪で引っかかってるのを外して抜くだけ。
ネジを二本抜いてヘッドを外します。
調整が狂いそうで嫌ですが外さないと交換できません。
赤いネジロックが塗ってあるネジはアジマスというテープとヘッドが平行になるように
調整するネジですので絶対回さないように。
変に回すと音が籠って素人では調整が困難になります。
金属プレートを戻すのが難しいかもしれませんが隣に見本があるので
同じような部品の位置関係になるようにしてハメましょう。
バックライトは直るか?
バックライトですが、ELパネルが使われていてよく切れるらしい。
ワンチャン賭けてコブラの中にあるコンデンサを交換してみようと思います
ゴム足みたいな中に隠しネジがあるので外してみたんですが開かぬ。。
こじってたら爪が割れましたが何とか開きました。
最終的にネジ止めなんでまあ、問題は無いかな・・・
左下の電源基板のコンデンサを交換します。
82uf 10Vと10uF 10Vだったかな。
なんと、明るさがかなり落ちていますがバックライトが復活しました。
ネット上にはELシートを交換するしかないという情報しかありませんでしたが
コンデンサも不良の原因になるようですね。
ただ、照明をつけるとほとんどわからないくらい暗いんで
いずれELシートの差し替えを行おうと思います。
メンテ完了
組みなおして再び各種動作チェックして問題なし!
かなり重労働となりましたが貴重なRX-DT909が見事蘇りました。
音に関してはRX-DT99のようなガツンと来る低音は無くまろやかな感じ。
音が悪いというよりは音のキャラクターが違う感じですね。
RX-DT99のメイン機の地位は揺るがない感じですが大事にしていこうと思います。
今回使用したもの
半田ごて
愛用のハンダゴテの記事です。
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電動ハンダ吸い取り器
電動ハンダ吸い取り器。
結構な数のコンデンサを交換するので持ってると効率が違います。
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電解コンデンサ
安価な電解コンデンサのセット。
販売時期やセットによって入ってるのがまちまちなので販売ページで確認を。
(耐圧が大きすぎるものが入ってる場合があり、物理的に収まらない可能性あり)
中華製なので信頼性を求めるなら秋月電子や千石電商などで日本製のを単品買いしましょう。
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無水エタノール
基板洗浄するための無水エタノール
コンデンサから漏れた電解液は念入りに掃除してあげないと
直ったと思ってもまた基板を腐食させ再発させる可能性があります。
あらゆるジャンク修理に必須です。
薬局でも買えますがAmazonでも売っていますので何かのついでに買っておきましょう。
綿棒も大量に必要になると思います。
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