PC-9801NOTEのバッテリーはセル交換できるか実験


さて、先日入手したPC-9801NS/Rですが
バッテリー駆動時間が20分程度と、ちょいとノートPCとしては寂しいので
先日シグマリオン2のバッテリーで行ったセル交換を
このバッテリーでも行おうと思います。
今回の記事はいろいろと不安な要素が多いのであくまで実験記事として。。

シグマリオン2のバッテリーをセル交換で復活させる!
先日入手したシグマリオン2ですが バッテリーの劣化が気になるので 今回はバッテリーのセル交換をしようと思います。

またもやお約束

今回のバッテリーパックのセル交換作業は

発火や爆発に至る可能性があるため

決して真似をしないでください

今回のバッテリー


このPC-9801ノートで使用されているバッテリーですが
現在主流となっているリチウムイオンバッテリーや
ニッケル水素バッテリーではなく懐かしのニッカドバッテリーになっています。

ニカド電池と言えばミニ四駆世代の方なら憧れの品だったと思います。
最初は子供のおもちゃとしては高額な投資が必要ですが
その後は電池を気にせず遊べるという魔法のアイテムでした。

9801ノートはバッテリーパックが2個使用されていますが
どちらも定格9.6V 1400mAhとなっています。
両方接続した場合、このpc-9801NS/Rでは5~6時間使用が可能なようですね。
私が数ある98ノートからこの9801NS/Rを選んだ理由は
3モードFDD搭載でWindowsとデータやり取りがしやすいのと
CPUが低電圧版i486使用で他の機種より圧倒的にバッテリー動作時間が長いためです。

1stバッテリーパックを開封


まずは外装を開けなければいけません。
ちょっと荒っぽいですがリューターの丸ノコビット(通称・八つ裂き光輪)を
使用して継ぎ目に沿って切開していきました。


内部はこのようになっていました。。
うーむ、やはり液漏れがひどい。
漏れた液が結晶化して電池中央で白く固まっています。

電池は単三電池とほぼ同じ長さでちょっと太い物が8本
直列に繋がっていました。
1.2V×8本で9.6Vという計算ですね。
一本あたりの容量は1400mAhでしょう。


直列に繋がっている途中で温度センサーのようなものが繋がっていました。
高温になったら導通を遮断する物と思われます。
電解液で腐食して導通が切れていましたが繋ぎなおしました。

しかし、現在主流のリチウムイオンバッテリーのパックと比べると
かなり簡素な作りですね。

電池ボックス化

98ノートのバッテリ復活作戦
オールド98ノート バッテリー復活作戦

98ノートのセル交換はネット上に先人が記事に残してくれてますので
それを参考に・・・


このバッテリーパック、なぜか金具を付けてくれと言わんばかりの
溝があり、これを使って電池ボックス化ができるようです。


セルからペンチを使ってタブを引き剥がします。
タブの金具は再利用するためできるだけ綺麗に引き剥がしましょう。


タブを使って電池金具を作ります。
こんな感じで接着剤で固定して・・・


折り曲げてスポンジやゴム足等、弾力のある物でクッションを作ります。
こうすることで接触不良が防げます。


こんな感じで直列に電池が並ぶようにしていきます。
バッテリーセルは単三電池を使用しますが元のセルより細いため
ゴロゴロと電池が動かないようにレールを作りました。
今回は爪楊枝を接着剤で固定して作成。


電池8本を直列繋ぎになるように配線して
温度センサーも念のため間に挟んで電池に両面テープ止めします。
今回は仮のテストとして手持ちにあったニッケル水素のエボルタを入れました。

ニカド電池とニッケル水素電池は充電完了の検知具合が若干違うようで
ニカド充電器で充電するのは過充電になる可能性がありよろしくないそうですので
本体で充電は行わず、電池を取り出してニッケル水素専用充電器で充電を行います。


蓋をしてみたところ。
うむ、外からは殻割りしているのがわからないくらい綺麗ですね。


接続してみたところ、バッテリーの残量検知が遅いので『未確定』となっておりますが
1950mAhのニッケル水素電池での駆動が二時間ほど可能でした。
実験は成功と言っていいでしょう。

ニカド電池購入。


最近めっきり売っているところを見なくなったニカド電池ですが
Amazonで購入可能でした。
タミヤのミニ四駆の電池のイメージが強いので電池がオレンジ色をしていると
懐かしい感じがします。

充電における安心感を得るためにニッケル水素電池ではなく
こいつを中に入れましょう。


入れ替えるだけですので特に何事もなく終わりました。
この電池は1000mAhと元の電池よりも容量が少ないです。
パナソニック製の一流バッテリーが700mAhしかないのに中華電池が
それ以上に多いとは到底思えませんので実際は700mAhくらいと
思った方がいいかもしれませんね。。


空洞が大きくなるため切ったメラニンスポンジを挟み、
組み上げておそるおそる充電させてみたところ
ちゃんと充電され充電完了時の自動停止もOKでした。

ただし、この充電池がPC-9801ノートの急速充電に対応できるかというと
分からないため充電による劣化が激しく長くは使えない可能性がありますね。
その辺も踏まえたうえで運用が必要かと思います。

2ndバッテリーも交換!


続いて2ndバッテリーもセル交換します。
丸ノコビットで切り開こうかと思いましたがカッターでも開けそうでしたので
つなぎ目に沿って何度も刃を滑らせて・・・


根気は要りましたが綺麗にパカっと開きました。
こちらは横一列に1.2Vの電池が数珠繋ぎになって入っていました。
写っていませんがこちらにも温度センサーあり。


こっちの方は電池ボックスに改造できるほどの隙間がなさそうでしたので
本体と接触する接点付近の金具と温度センサーのみ流用して
残りは廃棄します。


ニカド電池の接点部分をリューターで荒らして半田を一滴馴染ませる。
以前の記事で書きましたが電池に半田付けは基本的にNGです。
内部の部材が熱で痛んで破裂の危険性があるため加熱しすぎないように
ちょんちょんと半田づけします。
ちゃんと表面を荒らしていれば一瞬はんだごてを当てただけで
ガッチリと半田が食いついてくれます。


タブ金具の代わりにジャンカーの家に必ずある
使用済み半田吸い取り線を使います。
ハンダを吸うための物ですので当然ながら半田が乗りやすく表面を荒らしておけば
電池にも容易に半田付けができます。

(最終的に1stバッテリーも半田付けバージョンを作成しました。)


あとは単純作業で8本の電池を直列につなぎます。
一カ所は半田吸い取り線ではなく温度センサーを組み込みます。

ニカドバッテリーはリチウムイオンバッテリーのように
単セルをムラなく充電する回路が無いため
それぞれの容量のバランスが崩れると一気に使えなくなっちゃうようですね。

長時間動作が可能に!


組み上げたバッテリー二つを装着し、98ノートメニューを立ちあげて
バッテリーリフレッシュモードにして放電後、充電します。
充電は異常発熱していないかいつでもチェックできる状態でやりましょう。

満充電の結果、バッテリー残量もしっかりと正確に認識され
2つのバッテリーで合計3時間程度の動作が可能になりました。
バッテリーセルが純正の物と比べて半分くらいと考えれば
妥当な時間かと思います。
これだけもてば十分実用的かなと思います。

この後、10サイクルくらい充放電してみましたがトラブルもなく
ちゃんと使えそうではありますね。

使用する上で今後注意しないといけないのはやはり過充電・過放電ですね。
電池の劣化で液漏れを起こしてしまうとあっさりと本体が死んでしまうので
長期使用しないときはバッテリーを外して別保管しないといけませんね。


今回使用したバッテリーはこちら。
入手性の良い普通の単三型のを使用しています。

A形 ニカド電池 1400mAh
後で気が付いたんですがA型のニカドバッテリーはまだ入手可能のようですね
今後また使用できなくなった際にこちらを使おうと思います。

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