PCいっぱい持っているのに定期的に欲しくなる中華UMPC!
その最新モデルであるGPDWINMAX2が届いたのでレビューします!
この記事は動画版があります
Youtubeチャンネルであるジャンクハウス・プンソンではブログの延長として
購入したジャンク品の紹介や修理、新品で購入したもののレビューなどもやっています。
ブログを見てくださっている方で登録がまだの方は
是非チャンネル登録(無料)・高評価・SNSでシェアを
お願い致します。
GPDWINとは?
もはやこの記事を見ている方には説明不要かと思いますが中国のGPD社が発売しているゲームパッド付UMPCのシリーズ。
私は初代GPDWINに一目ぼれして購入しました。
現在はソニーのPSPに極めて酷似した4が発表されていますね。
さすがに『はしゃぎすぎだよ』と粛清されないか心配になってしまいますが中華様は任天堂やソニーに平気でケンカを売るのでこれが平常運転です。
むしろこれをソニーが買い取って次世代PSPとして売れよと思う。
GPDWIN2は値段が高くなったので買うほどでもないかなと思ってチェックだけしてたんですがそこに登場したのがGPDWINMAX。
8.9インチ液晶を搭載したごく普通のUMPCにゲームパッドを付けたという『絶対重たいだろ!?』と突っ込みたくなる変態機。
ただし性能はこれまでのGPDWINよりも圧倒的に進化していて『普通にPCとしても使える』スペックだったため衝動買いしました。
実際使ってみるとやっぱり物理的に重かったのと表示に不具合が出るゲームがあったりと難はあったんですが十字キーの操作性なんかはかなり良くSteamのレトロゲーム移植系をそこそこ遊びましたね。
サクッと起動するので実験用PCとしても活躍。
後継機GPDWINMAX2はすごい!
GPDWINMAXは私が持っている2020年版と外装はそのままで基板(CPU)を新しくした2021年版がありますが今回のGPDWINMAX2はフルモデルチェンジされています。
- 液晶と本体サイズが大きくなった(8インチ→10.1インチ)
- 液晶解像度が上がった(1280 x 800→2560 x 1600)
- 液晶がネイティブで横表示のものに変わった(重要)
- 大幅性能アップ(Core i5 1065G7→Ryzen7 6800U)
- タッチペン対応
- コントローラー部にカバーが付いた
10.1インチのPCをUMPCと呼んでいいのかというお話ですが公式でモロにUMPC扱いしているのでこのブログでもUMPCとして扱います。
こんな怪しいPC、どこで買うんだよと思うかもしれませんが日本の正規販売店はいくつかあります。
今回は初代を購入したのと同じショップであるデントオンラインショップさんで購入。
サポートがしっかりしていると評判なお店なので私もお勧めします。
内容物
- 本体
- ACアダプター
- USB C to Cケーブル
- マニュアル
箱は今までGPDWIN、GPDWINMAXと購入したときは結構豪華な感じの箱でしたが今回は白くてシンプルな箱になっています。
他社ですがOneMix3Proの箱も豪華な感じだったかな?
日本メーカーのPCはいかにも『輸送用です!』と言わんばかりの茶色い段ボール箱に入っていますがこれは箱も商品の一部として成立している。
中華メーカーというとマイナスイメージしかない感じがしますが『いいものを作ろう』という気概があるところはこういった『おもてなしの心』を持っているというわけですね。
ACアダプターはUSB PD 100W対応でけっこうサイズがでかい。
日本仕様なためデントオンラインショップを運営しているスリーワンの名前入りPSEマークがついています。
各部チェック
天板
メッキされたGPDのロゴがあり。
金属製で色は薄いピンクゴールドっぽい感じ?
(カメラの加減でそうは見えませんが)
前面
- 左右にスピーカー穴
- 指紋認証付き電源ボタン
指紋認証は購入初日はなかなか認証しなくてマジでクソというレビューをしようと思ったんですが、今試すと結構普通に認証してくれる。
指が荒れてたのかな?
それでもThinkPadの指紋認証に比べると感度は悪い。
右側面
- スピーカー穴
- USB3.0端子x2
前面だけでなく横にも音が抜けるようになっています。
左側面
- スピーカー穴
- リセットボタン
- SDカードスロット
- MicroSDカードスロット
頭がおかしいのが最近は省略されることも多いSDカードスロットが2種類あること。
しかもSDカードスロットの方は普通のノートPCではまず対応していないUHS-IIに対応しています。
ゲームだけでなくデジカメ写真や動画などクリエイティブな用途にも視野に入れているそうで贅沢な仕様となっていますね。
UMPCというスペースに余裕のない小型PCでありながら、スロットはカードが全部入り込むタイプを採用しているので高速なカードを使えば内蔵ストレージとしても十分いけそうです。
背面
- LRボタン・トリガー
- カバー収納部
- USB3.0端子
- HDMI端子
- USB TYPE-C端子x2 (充電共用・一つはUSB4)
ゲームパッド関連は後で説明します。
USB4端子があるので一応、外部GPUが使えるっぽい。
TYPE-C端子は映像出力対応。
液晶部
今回大幅に進化したところの一つ。
解像度が2560×1600(16:10)になりかなり高精細に。
初代は1280×800とゲームをするならまだいいんですがPCとして使うには狭すぎる解像度でしたので普通にPCとしての使用も視野に入れている私としてはうれしい部分。
このPCでゲームをするうえでは高解像度過ぎるためかOSのデフォルト設定が1920×1200に下げられており、ややボヤケますが気になる場合はネイティブ解像度にしてゲームの時だけ設定を変えればいいでしょう。
あともう一つ大きな変更点ですがこの手のUMPC、以前はタブレット用なんかの縦設計の液晶を使ってソフト側で横画面に回転させて表示させてたため、一部のそれを想定していないゲームやアプリで画面が半分しか表示されないなどの不具合が起こってました。
今回から通常のノートPCと同じ横画面用の液晶を採用しているということでそういった不具合が解消されています。
IPS液晶で視野角は広く発色は暖色系、光沢液晶なのできれいなんですが好みは分かれるかな?
そして今時のおしゃれなPCのように枠が狭くなっていて迫力があります!
初代GPDWINMAXの大きな不満点が液晶の枠の太さでこれがクッソダサかったんですよ、こんなの持って外歩けないです。
私が入手したロットではサイレント仕様変更があったようで平面ガラスから縁が丸くなっている2.5Dガラスになっています。
そのせいでオマケで付いてくるはずだった保護ガラスシートが合わずに付属しなくなったという・・・
スマホもそうなんですが2.5Dガラスってマジで何のメリットもないゴミだと思うんですがどうでしょうか?
今回はmicrosoft pen protocolに対応しているのでフリーザ様(Surfaceペン)が使えます。
ただ、タブレットスタイルにはならないので使う機会はあんまりなさそう。
液晶部の下にはWebカメラがありますが下から見上げるアングルになるので好みがわかれるかな?
顔認証にも非対応。
画質・音質はカスと言っていい。
モノラルマイクなんですが録画した動画ではなぜか右側からのみ音が出る。
液晶の下についているのと単体で角度を変えられないので顔を写そうと思ったらかなり液晶を倒さないといけない。
下からのアングルになるのでオッサンの顔がさらに不細工に見えるなど、ビデオ会議などで使うにしてももう少しまともなものを用意した方がいい。
キーボード部
今回白一色ですがバックライトがつきました。
オフ・弱・強の切り替えが可能。
英語キーボードなので日本語キーボードと配置が変わってる部分がありますが慣れれば問題ないでしょう。
押した感触は初代と同じ感じかな?
さすがにThinkPadなんかと比べると足元にも及びませんが普通に使えるレベル。
コントローラー部
この機種最大の特徴と言えるゲームパッド部。
マイクロソフトのXinputに準拠した設計になっています。
レトロゲームの移植を遊ぶうえで最も重要な十字キー。
感触は初代と同じ感じでPSVITAのようなプチプチした押し心地。
斜めに入らないとかそういうのはなく格ゲーのコマンドも普通に入り極めて良好。
マイナスポイントとしてはちょっと位置が遠いかな?
私は手が大きい方ですが手が小さい方は操作しづらいかも?
また、付近のキーを親指付け根のあたりで押してしまうことがあり。
ボタンもプチプチ系。
ゴム接点に慣れてる方はちょっと固い感じがするかも?
アナログはホールセンサースイッチというのになりました。
ドリフトが起こりづらい良いものらしいですがアナログをほとんど使わない人間なんで違いは分からん。
ただ、高級感は増していてグリグリすると釣りのリールを巻くときのような『チキチキチキ』という感触がある。
押し込むとL3R3として使用可能。
スタートセレクトは押しやすい位置と大きさに変更。
初代のこれは『本当にここでいいと思ったのか?』と開発者を問い詰めたいくらいに押しにくい位置なうえに細くてぶち壊しそうだったので良い変更です。
マウスゲームパッドの切り替えスイッチはアナログレバーでマウス操作ができるようになります。
LRで左右クリックと十字キーなどは一部のキーボードとして認識。
LRは1がボタン、2の方はトリガーになりました。
ただ、ゴム足の高さとほとんど同じなので置くときに気を付けないと引っ掛けてぶち壊しそう。
背面にパッドのカバーが仕込まれていましてパッドを隠すことができます。
マグネットでくっついて簡単には外れません。
タッチパッドの位置が怪しいんですが普通のPCに見えなくはないのでカフェなんかに持ち込んだ際に『何あの人のPC、コントローラーがついてるー!キモーイ!』とか言われなくて済みそうです。
タッチパッドは位置が微妙ですが初代より大きくなったので使いやすさは向上しました。
反応も良好で下側がクリックボタンになっているのも同じ。
私はテカテカになるのが嫌なので保護シートを貼りました。
底面
- カスタムボタンx2
- 拡張SSDスロット(M.2 2230)
- 4Gスロット(オプション)
- 吸気口
カスタムボタンはプリインストールソフトで機能を割り当て可能。
SSDスロットは2230のものが使用可能みたいです。
公式でも1TBのSSDモジュールが売っています。
2230のSSDって入手性が悪い上に高いんですよねぇ。。
4Gスロットは別売のLTEモジュールを装着し、nanoSIMを入れます。
あとからLTEモジュールを買うと分解しないといけないので私は組み込み済みの品を買いました。
底面の吸気口は膝上などにおいてプレイする際は塞がないように意識する必要がありますね。
重さ・サイズなど
重さは1042グラム。(LTEモジュールとSIMカードあり)
持って使うゲーム機として考えるとかなり重いんですが性能を考えると仕方ないかな?
初代も868グラムといい加減重かったんでこのシリーズは重いものであるという認識で使っていれば
イイのではないかなと。。。
初代とのサイズ比較はこんな感じ。
一回り大きくなっていますが液晶の枠が細くなったのでサイズアップは最小限に抑えられています。
つーか初代はもう少し小さくできたのではないか?
純正ケース
デントオンラインショップさんで買ったらロゴ入りの純正ケースがついてきたんですが結構キツキツで余裕がない。
ポケットがついていますがパンパンなので何を入れられるのか考えてしまいます。
性能面
『UMPCなんて性能が低いんでしょ?』と思ったアナタ、心配はご無用です。
Ryzen7 6800Uという8コア16スレッドのノートPC向けとしては極めて強力なCPUを搭載しており普段使いでは困ることはないでしょう。
出力の低いACアダプターを挿すとCPUクロックが極端に低下する仕様のようで手持ちの30WのACアダプターを使ったところ超もっさりモードになり初期不良に当たったのかと勘違いしました。
45W以上のアダプターであれば問題なさそうです。
あと、バッテリー駆動時はやや性能が低下します。
メモリは32GBですがビデオメモリとして予約されているため表示は少なくなっています。
デフォルトでは3GBでしたがRadeonのドライバソフト上のパフォーマンスタブで『ゲーム』にしたところ4GBになりました。
メモリ16GB版だとちょっとメインメモリが不安になるので32GB版を購入するのがいいです。
このPCはメモリがハンダ付けされているタイプなので増設はできません。
このPC、ガチのゲーミングPCと違って別でGPUチップが載っているわけではありません。
そんなもんでゲームなんかできるかよと思うかもしれませんが統合GPUのRadeon 680Mは統合GPUとしては超強力です。
あとでベンチや実際にゲームを遊んでみます。
LTEですが私が使っているDMMモバイルのSIMを入れてAPN設定をしたところあっさりとつながりました。
一部の回線事業者のSIMで不具合があるらしいですが設定などで対処は可能だとか。
プリインストールでMotionAssistant 体感助手という怪しいソフトが入っていました。
中国語で全くわからないんですがTDPの設定をする項目があるので色々弄れるのでしょう。
よくわからんのと壊したら嫌なので使うことはないと思います。
WinControlsというボタンをカスタムするソフトも入っていました。
これは場合によっては使うかもしれません。
ベンチなど
SSD
BIWINというメーカーのものみたいで私は知らなかったんですがAcerブランドで売っているみたいですね。
スピードは10000円以下で売っているM.2のものと同等なのですがまあ、OS動作には不満はないですね。
気になる方はこの機種は内蔵SSDも換装できるので好みのものに入れ替えるといいです。
SDカードスロット
SDカードスロットのフルサイズのほうは高速なUHS-IIに対応していますのでだいたい読み込み300MB/s程度のスピードが出ていますね。
ランダム性能が遅いので若干ストレスがあるかもしれませんが高速なカードを入れっぱなしにしてちょっとした軽いゲームを入れておくのもいいかもしれません。
microSDスロットのほうはUHS-Iまで対応なので読み込み90MB/sくらいまでのスピード。
microSDでUHS-IIのものは店で売ってるのを見たことがないので問題はありませんね。
スマホのカードの読み書きなどで使えそうです。
CINEBENCH
R15。
10年位前のデスクトップ版Core i7の2倍以上のスコアをたたき出しています。
半分以下の消費電力で2倍以上の処理速度なんですから後生大事に古いPCを使い続けることがいかにエコでない事かが分かりますね。
R23。
5~6年位前のデスクトップ版・K付の第7世代Core i7の1.5倍のスコア。
これ、10.1インチのノートPCなんですけどほんの一昔前のデスクトップPCが本当に産廃レベルですよね。。
PCはやはり定期的に買い替えるほうが地球にやさしい。
ドラゴンクエスト10ベンチ
1920×1080 最高設定で9630とちょっと期待はずれな結果。
10000は超えると思ってましたが古いベンチなので相性が悪いのでしょう。
FF15ベンチ
クッソ重いベンチなのでちょっと恥じらいをもって1920×1080 標準品質で。
3305という数値がどのくらいかというとGeforce GTX1050無印とほぼ同等。
いわゆるオンボグラフィックと言われるCPU内蔵グラフィック機能としてはぶっちぎりの高性能です。
30FPS程度出ているので快適とは言えませんがそこそこプレイできるのではないでしょうか?
ゲームで遊んでみる
KOF15
実はこのゲームが手軽に遊びたいと思って購入しました。
初代GPDWINMAXでは性能が足りず遊ぶのはかなり厳しかったKOF15ですがどうでしょうか?
少し前のアップデートで追加されたステージ低負荷モードをオンにしてほかのエフェクトもオン、解像度は1920×1080。
結果はほぼ60FPSを維持!
炎がたくさん出るような重たい演出の時に50FPS台に落ちることもありますが大抵が敵のロック中だったりするので問題なし。
非常に快適と言っていいです。
ただし、フルスクリーンにすると16:10の縦長に引き伸ばされてしまう現象があるのでOS解像度が1920×1200の状態でボーダーレスにすると良い。
(2560×1600でボーダーレスにするとゲーム内解像度も2560×1440になって重くなる。)
ギルティギアStrive
1920×1080でグラフィックオプションを自動設定にするとかなり高設定が選ばれますが重たいステージで40FPSあたりまで落ちるのでいろいろ試行錯誤する必要がある。
軽いステージだと高設定でもヌルヌル動くのでステージだけ軽くする設定をつけて欲しいと思います。
一応、結構妥協すれば60FPS動作でプレイすることはできる。
サムライスピリッツ
1920×1080 最高設定でほぼ60FPS維持できます。
まれに一瞬60を割ることがありますがプレイに支障はないレベル。
ライザのアトリエ
1920×1080、ちょっと妥協した設定で30FPS前後。
1280×720ならヌルヌル。
RPGなので30FPSでも全然オッケーですよね。
崩したい積みゲーの一つなので手軽に遊べる環境ができたのは大きい。
表示問題
ドライバの方でアスペクト比を固定にしても縦長に引き伸ばされてしまうゲームが結構あります。
16:9が前提のコンシューマー機のついででSteam版が出たようなゲームに多い印象。
16:10のゲーミングPCって最近たまに見かけますが避けた方が無難です。
やっぱり重い(物理的に)
1kgほどあるので持ち上げた状態でプレイし続けるのは苦行。
排気口をふさがないように机やひざ上に置いて支えながらプレイするスタイルがメインかな?
仰向けに寝転がって胸や腹の位置で立てて使う『ラッコトップ』というスタイルをとれるのもよい。
ネットブックが流行ったころにみんなやりましたよね?
バッテリー持ち
KOF15を1時間ほどプレイしたところ50%消費していたので負荷高めのゲームで2時間程度でしょうか?
正直、バッテリー持ちはいいとは言えないのでRPGなど長時間のプレイはACアダプターやPD対応モバイルバッテリーが必要ですね。
発熱
発熱はそれほどでもない。
GPU100%使うゲームでGPU温度は70度くらい。
冷却ファンは回りますがガチのゲーミングPCと比べるとかなり静かです。
他人にお勧めはできないが。。。
GPDWINMAX2を紹介しましたが他人に『これいいよ!買え!』とお勧めすることはできません。
20万円を出せるならもっと性能のいいゲーミングノートが買えてしまいますので・・・
このPCにロマンを感じるか、遊びたいゲームが動いて持ち運んでプレイしたいかによって評価が大きく変わってきますね。。
コメント